2013年3月1日金曜日

北九州市制50周年オペラ「アイーダ」公演における舞台裏②

さて、第①弾に引き続いて<アイーダ舞台裏2弾>です。

・・・そうして、私がアイーダを!ということになる。

スコアは読んで、歌も歌ってみて、、、アリアも2曲やってみて・・・音域も自分の声域からするとさほど大変でもなく、、、。

とっころが!これがやればやるほど難しくなっていったのだ。音域じゃない、テクニック技巧云々じゃない、

何が難しいのか。

簡単に言うと、イタリアオペラ発声法でない発声で歌うと、とんでもないことになると言うこと。
フレーズはつながらない、出来上がったものはヴェルディの音楽とは全く別のものが仕上がる。

う~ん・・・まずピアニッシモとフォルテを同じ場所で出したい。

どこで出す?どうする?

喉?おでこ?胸?頭?後頭部から回す?胃のあたり?腰の支え?舌運び?横隔膜?軟膏がい?上顎? 鼻腔?背筋?腹筋? わからなくなった・・・

H先生が言われた、イタリア行くぞ。
イタリアのソプラノ歌手にイタリア式高音のピアニッシモ習うのが一番早い。 

 はい!! Si !  JA! 何でもいい、ミラノへ飛ぶことに。
11年という長いヨーロッパ生活から帰国して、あっという間に過ぎていた日本での4年間。
私が思い焦がれていたのは、ヨーロッパの空気でも建物でも人間でもない・・・

ハムパンチーズ~~~!

 これが食べれる10日間だと思うとその嬉しさは隠しきれなかった。イタリアは、わずか10日程の研修。もたもたしている暇はない、学べるものは全部学ばないと、時間がない。

機内食のスっチーさん、、「日本食?カルボナーラ~?」

まさか!日本食なんて!!!

パスタパスタ~!ヴィーノ ビアンコ、 ビッテ~!(あ、そうか、ビッテじゃなかった)
ぺルファヴォーレ~!
 
 もうかなりこのメニューにテンション上がりまくりの機内。(たかが機内食なのに~笑)
 映画は一つも見ず、観光案内ブックとAIDAのスコア。これだけで12時間があっと言う間に過ぎた。

 ほほう~・・・Biglietto~「切符」だったな、そう言えば。書いてる書いてる~^0^なんてウキウキ☆
 さて、着いた日は宿泊先、夜10時頃。
すっかりミラネ―ゼ梓ちゃんがお迎えに♡
 
宿泊先は、舞台衣装・「フィオーレ社」のゲストルーム。通常は宿泊なんてのはまず不可能なところ。厳重なセキュリティーに包まれた建物で、エレベーターもぞれぞれ渡されたキーで、しかも使い方を知らないと動かない仕組みになっていた。
 
地上7階、地下5階まで。裁断専門の人、縫い専門、靴もそろぞれ専門が。何ミリの世界を追求されていた何とも言えない緊迫した雰囲気。
ピノキオのゼペットじいさん?
みたいな、そんなあたたかい職人さんたち。





 装飾品・小物を作る人、衣装を縫う人、デザイナー、アイロンの専門コーナー、
全館見せて頂きほんっとに、ほんっとに、、、目を見張るものばかり。凄い規模・・・でした。

ここにまた、知らなかった世界の「一流」を見た。


すべては蓮井先生の人脈によって可能になっているわけですね・・・感謝感謝!!
エレベーターのドアも、少しでもマフラーや、ジャケットの裾が扉に触れていると動かない。

さすが衣装を扱う会社だ。

さて、 この部屋に10日間、お世話になる。よろしく~♪まずは日本の家族に無事を知らせねば、ネット接続暗証番号をもらい、さっそくノートパソコンを開く・・・(´@ω@`)
はぁ~・・・やっぱり・・・人生、、、そう言うもんなんですよね。この為に用意した小さくて軽いノートパソコン・・・><

「電波が届かない部屋」だった。ク~っ!!残念>< 毎日朝食の前にコミュニティールームでパソコンをするしかなかった。

 さて、お腹すいた、どっか食べに行こうか!と出たものの、近場はもうなくて、ピザ注文。
 ピッツァ~!生地が美味しい~♪

朝食がいつも甘いケーキだったのが唯一、きつかったかな・・・
これ、どう見ても3時のおやつでしょ・・・
 
ハムとチーズ・・・食べたいし・・・
翌日からはスーパーで買って朝食に持ち込み食べました。

 さて翌日!いよいよ、ミラノ研修一日目。
部屋から毎朝アルプス山脈を眺めて、ボン・ジョ~ルノ~♪
レッスンが始まる。
ボン・ジョ~ルノ~~~♪
 
シラカワサ~ン!! ノ~、ド~イチュ!
オンリー イタリエーニッシュ!
これがまず最初にマエストロ・アジマンに会った時のお言葉^_^;でした。ドイツ語しゃべるなって?
は~い・・・^^; 
 
レッスン室

 初日、まずは、イタリア語ディクション。スコア1ページめから歌詞を読んでいきます。
子音、語感、イタリア語のリズム。地道なレッスンがスタート。

では、歌ってみましょう。言葉のリズムを確実に。そしてメロディーに乗せる。初日のレッスンがおわり、お腹ぺこぺこ~(*´艸`)

・・・ということで、お食事へ。

うふふ!!♡
 
 エスプレッソ~☆
 ドイツに居た頃は結構普通だった濃厚ソースのペンネ。私的には日本のはチーズの濃さと塩気が足りない。これは、めちゃくちゃ満足でした。
 そして、次の日は今回の23日のアムネリス役「ラウラ・ブリオリ」さん
にお会いしました。

ピアチェーレ~♡ (始めまして~)

始めて会うのになんて違和感のない、とても自然な方なのだろう~。
この人と一緒に共演か~。いい感じ!これが第一印象でした。

おそるおそる聞いてみる、シュプレッヒェン・ズィ~・ドイチュ?
(ドイツ語、、、話しますか・・・?)

JA!!

うそ・・・
やった☆^0^☆ これでお互いの距離感はぐ~んと縮まり、さらに、親近感を持つことができました。

呼吸法レッスン。どんな事をやっているか・・・は、ここに一言ではかけません。ページがいくつあっても足りません><

インナーマッスルの使い方でしょうかね。

渡航費と宿泊費を費やしてきてるんだから、何があっても絶対に、身につけて帰るぞ!
お金だけはない。家族を捨てて 仕事を捨てて の10日間なのだ。
 こちらが、その初めて会った時のラウラ☆2012年11月
今回共演後のラウラ☆2013年2月
 確実に時は過ぎ、時間は待ってくれない。
こうやって一秒一秒が過去になって行くのを実感しながら、
無駄をしている時間はひと時もないと思わされる今日この頃ですね・・・。

ミラノに戻って、、、
これが、レッスン後の記念撮影。(アジマン氏、いつも爆笑・・・ハ~!また写真か~!)って^^;
次の日はレッスン前にフィオーレ社内見学。社長JOE ジョーさんも、ドイツ語ペラペラ・・・ほとんどネイティブスピーカーでした。う~ん。指揮者のアジマン氏もドイツ語堪能だし、

なんだ、言葉には困りそうにない^^; いえいえ、でもお店ではイタリア語しゃべってみました。ちょびっと・・・^_^だけ・・・
こちらフィオーレの社長さん。
 そして案内してくれた場所、これが、「アイーダ北九州行き」只今スタンバイ中だよ。

 もちろん、写真許可を得ています。

 この中に温度、湿度調整された衣装がぶわ~~~~~~っと・・・扉を開けると床から天井まで3段くらいに分かれて衣装がかかっています。奥行きはどれくらいだろう???扉を開けると中はかなり向こう~まであります。部屋はず~っとこちらの方へ私が写真を撮っている場所から反対側まで続き20部屋くらいあったかな?
 拘りの生地。
こういう発色が、照明さんとの緻密な計算により舞台の上で、素晴らしい効果を生み出すのですね。

以上、今日はここまで。
第3弾以降では、いよいよ、衣装合わせ、サイズ採寸、手直し、靴、選びと、
究極のピアニッシモと共鳴のレッスン、
ヴェルディ音楽院のアジマン氏のレッスン室にて、

です。お楽しみに☆