2011年7月11日月曜日

月夜へお誘い

~さて今日は素敵な月夜へお散歩します~
(7月16日夏の夜の夢コンサートに向けて)西日本工業倶楽部

ご一緒に私の夢の中へどうぞ。

美しい夜と夢の世界、静かに私の心臓が騒ぐ、目の前の憧れと思い出。ドキドキしながら森の中へ歩いていく。夏の森の冷たい空気を吸いながら静かに歩いていると目の前に湖が広がっている。うっすらと青光りが射している。
~夜と夢~























月はその光で愛する人を覆っているベールをはずす。ベールを外された女性は恥ずかしそうに自分を開いていく。月に吸い込まれるように。月の光と融けあい熱帯夜の水辺を渡る風を感じる。
~はすの花~












おや、何の音だろう。こんな夜更けに馬の蹄の音がする。
私はこっそり木の陰から様子をうかがう。

一人の紳士が見たのは湖のほとりに立つ美しい女性。僕があなたを家までお送りしましょう。

=いえ、結構です。一人で帰れます、早くお逃げください。

逃げる、どうして?あなたのように美しい方を一人にしておくわけにはいきません。
しまった!!もしやあなたは森に住む魔女では!!

=私をご存知の様で。私の家はライン川を見下ろす小高い丘にそびえる城。もうおそいわよ。あなたは
完全に私のもの。二度とこの森からでることはできないのよ。

・・・そうか・この男性もつかまってしまったか・・・
~森の語らい~
















彼らが行ってしまった後は再び、しーんと静まりかえった森の中。私はまた月と会話をする。湖のほとりに腰をおろしてゆっくり月を見る。深緑の香りを聴き、月の光を全身で感じる、水面に映った揺れる月は私を夢の中へ引きずり込む。
まだ半分目を覚まし、半分夢の中にいる私は天と地が話をしているのを聞く。














地は天に憧れ、天は地に憧れる。引き合う二人は湖の上で一つになり、その光の輪の中に私は吸い込まれていく。これ以上の悦びはない、私の魂は翼をつけて広がる。そして魂の故郷へと飛んでいく。
~月の夜~

突然また森の中へ引き戻された。だれ?私を呼ぶのは!
そう、森の番人が夜の11時を告げます。「11時~~~!」と森中に響き渡る声。
私と一緒に他にも目を覚ました人がいる。

カタツムリの殻の中で寝ていた妖精ちゃんだ。あら、かわいい・・・ふらふら目をこすりながらでてきてる。
あはは、酔っ払いみたい。右に左にふらふらしながら、何やら目の前に素敵なものを見つけたらしい、そちらに釘付けだ。私もいそいでその方を見る。

うわ!!なに!星でも降ってきたの?金色で小さな光がちりばめている。よく見ると、蛍の光だ。こんなにたくさん!? 

妖精ちゃんはどんどんその光の方へ寄って行く、危ないなぁ~全然、前をみてない。

ほらね!そう思ったわよ。妖精ちゃん大きな石で頭をぶつけちゃった。つるっと滑って危うく湖の中に落ちちゃうところだったね。
もういいから、カタツムリのおうちに戻った方がよさそうよ。
~妖精の歌~















なんだか冷えてきた。信じられない。何で湖凍ってるの!?さむい!!
私は震えながら凍ってる湖に近づく。
・・・ん?・・・小さいモノが水面を滑っている。カワイイ。ダンスしている。歌も歌っているし。何何?何を歌ってるんだろう?私はそっと耳を澄ませる。

「私は葦の精よ、人間はいつも魚を釣りに来るでしょ?こんな寒い冬でもくるんだから、全く頭に来ちゃうわ!私はここの魚を守るのが仕事。漁師さんたちを絶対許さないわ!でもあそこのお祖父ちゃん漁師さんの娘さんは好きよ。その娘さんの彼氏は猟師だもの。素敵だわ。彼女の結婚のお祝いには私の宝物をたくさんあげるわ。」

・・・なんてそんなことをしゃべりながら滑っている。それにしても踊りが上手だな~
おや?ニワトリの鳴く声。もうすぐ夜が明けるのね。
~葦の精~











もうすぐ夜が明ける、お月さまそろそろお別れね、私はゆっくり森にさようならを言って立ち上がる。
あ~なんて素敵な夜鳴鶯。
最後にナイチンゲールが私に挨拶をしてくれる。

その澄んだ声は薔薇の蕾を開かせる。
夏の麦わら帽を手にもった少女だった頃の憧れる恋心を、大人の恋へと成長させてようとしている。恋人を思う心は胸を締め付けられるような切なさを超えて、幻想的で激しい抒情に溢れる。
~夜泣鶯(ナイチンゲール)~















・・・私はまだ夢の中。一度目を覚ましたが再び深い眠りへと誘われた・・・

先程の森から1万Kmほど東へ移動している。そこで同じ月を見ている。












ふとしたことで私はある男性と知り合う。私たちは互いに惹かれ合ってしまう。でも私はほんの旅行先で知り合ったその方を残したまま、家路へと向かう。家に戻った私を待っていたのは父が用意した男性との結婚だった。私のこころは旅先のあの方。

あの方は私が結婚したことを知り、月へ想いを告げる。
「いくら待っても、もうあなたは来ない、想うまいと思うが年がいもなく涙が溢れる。
暮れて河原に星一つ、宵待ち草の花の露、更けては風も泣くそうな。」

私もあなたを想っているわ。
~宵待ち草~










スゴイ朝焼けだ。ほとんどここで朝焼けをみることは不可能なはずなのに、、、やはり確実に夢の中にいるんだろう。
















あれ・・・白い花が。
カラーによく似ている。近寄って見てみる・・・あっ水芭蕉の花だ。
そうか私は今、尾瀬に来ているんだ。美しい福島県の尾瀬沼。
~夏の思い出~











風が吹く。柔らかい風。悪戯な風。
風は紫色の花を揺らす。花はチンカラコロリと鳴る。
キキョウ?ホタルブクロ?いえ、あなたは釣鐘草ね。
風は山から浜へと移動する。浜ではヤドカリを驚かせたりして。あなたがおどかすから、ほら鯛もさんまもみんな隠れてしまったでしょ。
~風の子供~











そして私は海へとどまる。大好きな海。私は海原で仰向けになって寝ている。
あ~~~きもちがいい。しばらく流れる雲をゆっくり見つめて、自然に目を閉じる。聴こえるのは波の音と風の音。
ここはなんて美しい世界なんだろう。地球以上美しいところはない。
~浜辺の歌~









初めて聴いた。今日の夕方初めて聴いた美しい声。蝉とは思えない。
どこまでも澄み渡る声。「蝉の声=暑苦しい」とは程遠い。
山の中でしか聴くことがないと思っていたのに、驚きだ。
夏の日暮れに鳴く蝉。
~ひぐらし~

私はいつも海を見に行く。
嬉しい時も悲しい時も。海にいけないときは心の海を訪ねる。
海はいつも私を受け入れてくれる。その無限の広さは私を浄化してくれる。
~悲しくなったときは~














5日後に控えた夏の夜の夢コンサート。こんな世界にあなたを誘えたら幸せです。