私は耳鼻咽喉科の先生ではない・・・(><;)が、そうやって私のところを頼ってきてくれる人がいるということを、嬉しく思うと同時に、その責任を果たせるかと不安にもなる。
詳しく話を聞いてみると、その方は合唱をして喉を壊されたそうだ。
痛いのに練習を続けて、つらかったが我慢をしているうちに限界まで達してしまったと。
どれくらいの期間それを続けてきたのかまだ聞いていないが。
今は大好きな合唱をやめてカラオケに転向とのこと。
この方は歌うことがとても好きなんだなぁ。
マイクに頼って歌う方をとったがどんどん悪化していくらしい。
当然の結果ではあるが、今さら責めても仕方がない。大好きな合唱を楽しめるようにしてあげたい。
まず息を流す練習。
私がウイーンで勉強した呼吸法を用いてレッスンをする。
「吐いた息を空気に響かせ、声にする、その声を使って歌にする。」
これだけ聞くと当然!だと思うかもしれないが、結構これが大変。
「息」を「空気」に乗せる、ってどちらも目に見えないものだから。声も目に見えないし。
特に意識をすると、今まで問題なく呼吸していたのに急に息が吐けなくなる。
吐けないものを吸えるはずがない。
ここで声が出るまでの間にすでにトラブっているわけだ。問題有りのまま声がでてその出た声をどうこう変えていっても結果は見えている。
だけどそれもいろんな発声のバージョンを練習することで徐々にコツがつかめてくる。
喉が痛いと言われる人だ、いつも以上に注意をしてレッスンをした。
彼女の吐こうとする息が声帯の間を通って出てくる様子を思い浮かべながら今身体にどう息が回っているかなど、より一層の注意を払って。
1時間半のレッスンが終わり、どうですか、喉は?と聞く。
「全く痛くありません!」
ほっとした、教えるということは、自分自身常に初心に戻れる。
また彼女の美しい声が復活して、歌う喜びを感じることができる日を祈って一緒に頑張りたい。