2011年11月26日土曜日

心踊るプログラム

ソプラノ・森野由みさんのコンサート~♪

シュトラウスの歌曲に始まり、グノーの宝石の歌のアリア、ルサルカ、「道化師」よりネッダの鳥の歌、フォーレのピエ・イェズ、聖なる都、等など・・・ほとんど私のレパートリーである名曲が、次々と素晴らしい歌唱で披露された。

ウイーン在住で北九州文化大使でいらっしゃる、森野さんは私と同じ西南女学院中・高を卒業された尊敬する大先輩。

いわゆる典型的なオペラ歌手ではなく、どちらかというとコンサート歌手として確実な技術を持たれたソプラノだと思う。だから一曲ど~んと大きなアリアを歌うより、数曲聴かないと彼女の素晴らしさは伝わりにくいかもしれない。

だが、それだからこそ、ソロリサイタルが素敵なのだ。

一発勝負が効く「オペラアリア歌い」、というのは数曲聴いたら、疲れてしまう。(少なくとも私は5曲が限界・・・)

でもコンサート歌手は喉が潤っているし何と言ってもピアニッシモが美しい。(2時間聴いてもつかれない)

私が、常々コンサートで望んでいる
「ステージに立っているその人の人間性」を感じる事ができるのだ。

今日はまさにそういったコンサートだったように思う。


















そして、何と、今日は驚きのミラクル衣装替え^0^ 素晴らしいサービス精神だ。

まさかの4回の衣装替えだったのだ!関西も顔負けである。
珍しい光景であった。。。

極めつけは、「まだ何着かあったのよ、着替えられなかったの・・・」

あ、あの・・・4回着替えたらかなり十分かと・・・^^;

どれも素敵な衣装。どの色も着こなしていて全て歌の内容と歌詞に合わせて色を替えられていた。
典型的なヨーロッパの生地。きっと向こうで作られたのだろう。

一番感激したのは私の一番好きなウインナー歌曲、Stolz作曲の「素晴らしい日に」"An so einem Tag wie Heute" が、アンコールで歌われた!
きゃ~~~~!これをまさかこの北九州で聴くことができるとは!!!感激だった。

森野さんのうたは、私の音楽解釈と似ている。(散々褒めちぎった後言うのもなんだが。。。)
人によっては、同じ歌でも

え!?これをこんな風に歌う!?

え!?私ならこう歌うな~・・・

などと思いながら聴くことがしばしばなのだが、森野さんは気持ちがいい。

うんうん、そう歌ってほしいよ。そうそう、そうなるから美しいのよ。。。

なんてそんなことを勝手に思いながら聴いていた。だから演奏会の独特の疲れというものが全くなかった。すぅ~っとして、なんとなく自分の代わりに誰かが歌ってくれた、みたいな感が残ってなんとも心地よいのだ。

もちろん合間に入ってくれたハンドベルの演奏もクリスマスらしく、一瞬ホールが教会のような錯覚に陥り、ハンドベルの低音は時としてオルガンのような音色で包み込んでくれる。
コンサートが終わった今もなお、その余韻に浸ることができている。

拍手は割れるような拍手、ではなく、本当に心から拍手しているという暖かい拍手。

そういう歌い手に私もなりたいと、ただただ今日のそのコンサートスタイルに尊敬の念を抱いたのでありました。
伴奏者は高校の合唱部のときからの長い付き合い、ピアニスト吉冨淳子先生。























相変わらず、「私なんかがあなたと写ってもいいのかしら~きゃ~一緒にうつっちゃたわ~」
と、どうしてそんなに謙虚でいられるのでしょうか。先生!

母校の香りのする今日のコンサートは確実に数多くのコンサートの中でも素敵な思い出の一つとして私のこころに刻まれました。