2011年7月7日木曜日

悲しくなったら海をみに行く。

古本屋の帰りに、あなたが病気な時に、こころ貧しい朝に。

海を見に行く。

海よ、

大きな肩と広い胸よ

おまえはもっと悲しい、お前の悲しみに私の暮らしは洗われる。

どんなつらい朝もどんなむごい夜もいつかは終わる。

人生はいつか終わるから・・・

だが海だけは終わらない。


・・・私が一番好きな日本歌曲だ。


3月11日に東日本大震災が突然人々を地獄へ突き落した。

どどどど===っと海が人を飲みこむ。

あっという間に消えてしまった多くの人の人生。

もしかしたら、飲みこんだ海は飲みこまれた人間よりもっと悲しく、その悲しみは人間よりもっと深いのかもしれない。

7月16日に「夏の夜の夢コンサート」で歌う寺山修二作詞、 中田喜直 作曲 「悲しくなったときは」。

この歌には、とてつもない深さがある。
この海は「心の海」でもあるかもしれない。

人生なんていつか終わる。例外なしに。

だけど海は終わらない。ここにどんなにあがいても、とうてい勝てっこない人間の海への憧れがある。

日本人としてのこころを直接歌にすることのできる日本歌曲。
16日、久しぶりにその機会に恵まれることを嬉しく思っている。